観光コンシェルジュ

特許概要

観光コンシェルジュ - AIを活用した情報推薦システム

特許技術の背景について

SVI研究所では、大規模言語モデル(Large Language Model : LLM)を用いたテキスト生成AIを活用した情報推薦技術​に関する特許を取得しました。

観光地での旅行客の周遊行動に変容を促すことで観光地、観光施設、商業施設・店舗利用の促進・活性化に寄与する支援​ツールとしてAIを活用した情報推薦チャットボットを開発することで得た知見・技術をもとに出願したものです。

インターネット検索が非常に便利である一方で、観光地における施設や店舗など特定地域に限られた情報を得るには相応​の検索の工夫が必要となる場合があります。観光や旅行においてその工夫をする手間をかけて立ち寄り先を調べることは​多くの旅行客にとって負担となります。

ここに着目し、臨んだ情報を正しく得るための工夫という手間をかけることなく、インターネット検索に不慣れな方でも​簡単に、友人や知人にものを尋ねるような感覚で使える観光案内ツールの提供を目指して開発したものが情報推薦チャッ​トボット「観光コンシェルジュ」です。

生成AIの操作に不慣れな方でも簡単に扱える仕組みの実現を目指した技術

我々が目指すように特別な知識や工夫を用いることなく誰もが簡単に臨んだ情報を得るためにLLM​を用いるにはいくつかの課題があります。

LLMのみを用いた場合には、以下のような課題を解決しなければなりません。


  • LLMから望むような回答を得るためには質問・命令文(プロンプト)を書く知識・工夫が必要。
  • LLMが出力する情報は、LLMがトレーニング済のデータに限られる。
  • LLMはその仕組みの都合上、トレーニング済のデータであっても正しい情報として出力するとは​限らない。嘘が含まれる場合がある。


これらの課題を解決するため、情報推薦チャットボットでは検索拡張生成(Retrieval-Augmented ​Generation : RAG)という手法を用いています。

RAGではLLM自体の再トレーニングやチューニングを行うことなく、外部データを用いて適切な情​報を出力する仕組みを構築することが出来ます。


観光コンシェルジュのシステム実装に関する工夫

観光コンシェルジュ(AI情報推薦チャットボット)では、そのシステムの実装において以下のような​いくつかの工夫を行っております。


  • 生成AIに不慣れな利用者が入力した文章に対して、事前に取得した利用者の属性情報や、継続し​て利用している履歴情報、位置情報などの入力外の利用者に関連した情報を組み合わせ、利用者が​望んでいる情報を推測して適切なプロンプトを生成します。


  • 前出のプロンプトの入力から得たLLM出力情報について、特定の情報が含まれる場合には、出力​情報に加えて、特定の情報に関連する付加情報を含める。例えば、LLMが店舗情報を出力し、その​中に住所の情報が含まれる場合に、地図アプリへのリンクを付加する、といったような動作を実現​します。


  • 最終的な回答を出力する事前に、LLMが出力した情報を、その情報出力に用いたプロンプトに対​して適した内容となっているか評価する。その評価に基づいて最終的な回答を編集して出力しま​す。

システム実装の工夫が認められ3技術で特許を取得

RAGの手法を用いたチャットボットの実装における工夫が技術として認められ特許を取得いたしました。

具体的には以下の3点の特許を取得しております。


  • (特許第7595387号)質問文(プロンプト)に施設または地域の推薦を求める趣旨の文が含まれる​場合に、適切な出力として施設または地域の情報を含めるためのプロセスに関する特許


  • (特許第7595388号)言語モデルから取得した回答に、利用者の行動を提案する提案情報法を生成​するトリガーとなるアクション情報が含まれる場合に、回答に対応する提案情報を生成するプロセス​に関する特許


  • (特許第7599255号)プロンプトを言語モデルへ入力することで取得された回答が、そのプロンプ​トに対して適切であるかどうか、事前に定義した回答例をもとに判定するプロセスに関する特許

観光コンシェルジュ - AIを活用した情報推薦システム

特許技術の特徴